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    • 2013.06.19 Wednesday
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    羊たちの沈黙

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      JUGEMテーマ:昔の名画
       

      羊たちの沈黙

       

      羊たちの沈黙
       

      監督:ジョナサン・デミ

      製作:エドワード・サクソン

      原作:トマス・ハリス

      出演:ジョディ・フォスター

         アンソニー・ホプキンス

      1991年(平成3年)日本公開

       

       

      トマス・ハリスを一躍世界的ベストセラー作家に押し上げた『羊たちの沈黙』(1988年刊)の映画化。最初にこの本を読んで虜になった私は、レクター博士が逮捕された経緯を知りたくて、ハリスの処女作『ブラック・サンデー』(1975年刊)、第2作『レッド・ドラゴン』(1981年刊、レクターシリーズ第1作)と読んだが(すでに文庫化)、レクター博士逮捕のストーリーはなかった。

      その後にレクター博士シリーズとして『ハンニバル』(1999年刊)、『ハンニバル・ライジング』(2006年刊)が上梓されたが、いまだにそれは語られていないのが残念だ。

      私が考えるところ、天才的犯罪者で、捕まるはずがないのがレクター博士であるから、原作者のハリスもそこを描くことに難渋しているのではないだろうか。

      否、そんな博士であるから、意外に交通違反などといったつまらないことがきっかけだった、くらいにしいか思いつかないのではないだろうか。

      否否、などなどを考える楽しみを読者に与えてくれているのではないだろうか。

       

      本題に移ろう。映画『羊たちの沈黙』は、映画としても大ヒットした。本にない面白さが映画にあったからにほかならない。

      検視の際に鼻の下にまるでガキの青っ洟のようにベポラップ(メンタムかと思ったら違った)を塗るシーンから強烈に感じる死臭。

      レクター博士の監獄からうかがえる異常さ。

      そこへ通じる廊下の両脇に収容されている犯罪者の様子。

      アイスホッケーの面を着けられて移送されるレクター博士の不気味さ。

      レクター博士脱獄の残虐性。

      実際のドクロメンガタスズメ。

      誘拐犯の家と監禁されている場所。

      などなどは、映像ならではの利点といえる。なかなか文字から類推するのは難しい。

       

      原作本では、たびたび文字遊びが出てくる。

      誘拐犯をバッファロー・ビルと、西武開拓時代にバッファローのなめし皮を売ることを生業としていた実在のガンマンの通称名を使うことで、犯罪内容に革剥ぎの残虐性を連想させたり、レクター博士の通称であるカニバル・ハニバル=人食いハニバルは、人食い(カニバル)と名将ハンニバルで韻を踏んだうえにレクター博士の犯罪内容を連想させたり、精神異常犯罪者用州立病院院長フレデリック・チルトン博士の名前のチルトン(CHILTON)を“CHNO=ビリルビンという糞便の色素の主成分で、それを書いた紙切れを便器の中に残したりなどだ(これは原作中にしか出てこない)。

      これらは、活字からくる面白さだが、画面ではあまり重要視されていない。

       

      ジョディ・フォスター演ずるFBI訓練生クラリスが、猟奇的誘拐犯であるバッファロー・ビル(テッド・レビン)逮捕に向かう。

      警官がドアをノックする。踏み込む警官。そこはもぬけの殻。クラリスが別のドアをノックする。そこはまずい!

      この場面は、これぞ映画といった迫力満点のものに仕上がっている。この場面だけでも映画の魅力満載だ。

      監督がいかにスクリーンの向こうにいるわれわれ観客を意識して撮っているかがわかる。

      じっくり味わいつつ、この場面に注目していただきたい。

       

      ところで、『羊たちの沈黙』という題名だが、諸説ある。

      私は、直截的に捕らえられて生け贄にされた羊の無力さを比喩した表現と考える。

      原作者の解答はない。

      クラリスは少女時代に預けられていた農場で、屠殺される羊を巡るトラウマ(屠殺を阻止できなかったとする悔悟)を経験している。

      レクター博士の前では、クラリスはあくまで従順な小羊で、その小羊が生長する過程(沈黙)にある、というようにクラリス本人を表しているとの説もあるようだが・・・?。

       

      クラリスを演じたジョディ・フォスターは、マーチン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の『タクシー・ドライバー』(1976年、14歳当時)で、少女の娼婦役を演じて一躍世界に名を馳せた。このときの印象は強烈だった。

      その後、ジョナサン・カプラン監督『告発の行方』(1989年、ケリー・マクギリス共演)でレイプの被害者を演じ、アカデミー主演女優賞を獲得している。

      子役で芸能界に入り、注目される人は多い。しかし、長じても芸能界で活躍している人は少ない。特に、単独で主役をはるような人は希有だ。そんな希有な存在の1人が彼女といえる。

      最近では、『パニック・ルーム』(2002年、デビッド・フィンチャー監督)がよかった。

      芦田愛菜ちゃんも、ぜひジョディのような女優をめざしてほしいものだ。

       

       

       

       

      次回もお楽しみに。支配人A

      【世界の名画】【世界の名画ベスト100】〜世界の名画作品紹介〜高円寺名画座












      アンタッチャブル

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        アンタッチャブル

         

        アンタッチャブル
         

         

        監督:ブライアン・デ・パルマ

        製作:アート・リンソン

        音楽:エンリオ・モリコーネ

        出演:ケビン・コスナー

           ショーン・コネリー

           ロバート・デ・ニーロ

        1987年(昭和62年)日本公開

         

        『アンタッチャブル』といえば、私たち団塊の世代にとっては、忘れられない代表的テレビ作品の1つといえる。

        ロバート・スタック演じるエリオット・ネスに夢中だった。

        アル・カポネ、フランク・ニティという名前も記憶している。

        まさに、ネス、カポネ、ニティが、パナマウント映画会社の創立75周年作品として帰ってきたのだ。

         

        ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロが出演しているということが観劇の大きな要素だったが、『殺しのドレス』(1980年、アンジー・ディキンソン主演)や『スカーフェイス』(1983年、アル・パチーノ主演)で、ヒッチコックの再来といわれたブライアン・デ・パルマが監督していることにも興味をそそられて観た。期待は裏切られなかった。同監督の最近の作品では、1947年にアメリカで実際に起こった猟奇事件を扱った『ブラック・ダリア』(2006年公開)というのもあるが、これはエグイのでお勧めしない。

         

        ショーン・コネリー演じる警官マローンが惨殺されるシーンは、まさにヒッチコックばりに。ビリー・ドラゴ演じるフランク・ニティの視点が観客の視点と重なり、また、ニティが死ぬシーンでは『めまい』の1シーンを彷彿させた。

         

        物語は、禁酒法時代の暗黒街のボスであるアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)を捕縛するための活躍を描いたもの。

        カポネを有罪に追い込むためには、鍵を握る経理担当者を捕獲するしかなかった。このシーンがまた面白い。

        映画ファンなら、ソ連(ロシア)のセルゲイ・エイゼンシュタインをご存知だろう。

        彼の出世作となった『戦艦ポチョムキン』(1959年公開)では、オデッサ軍港での階段シーンが有名だ。

        赤児を乗せた乳母車が、水兵に撃たれた母の手を離れて、階段を落ちていくシーンだ。

        この階段シーンを、シカゴ駅で、カポネの経理担当者を捕縛するシーンに取り入れたのだ。

        この時のネスとアンディ・ガルシア演じるストーン刑事の掛け合いはまさに「よっ! ご両人!」の世界だった。

        家内は、このシーンで、まさにアンディ・ガルシアの虜になった。

        アンディ・ガルシアはシドニー・ルメット監督の『NY(ニューヨーク)検事局』(1997年)とか、リドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』(1989年公開、高倉健、松田優作、マイケル・ダグラス主演)などでも活躍している。

         

         

        アンタッチャブル 

         

        主演のケビン・コスナーも忘れてはならい。

        ケネディ暗殺を題材としたオリバー・ストーン監督の『JFK』(1992年公開)では、ニューオリンズの地方検事を好演していた。『ロビン・フッド』(リドリー・スコット監督、1992年)、『ボデーガード』(ホイットニー・ヒューストン共演、1992年)などがある。製作を担当したコスナーが三顧の礼をもって迎えたといわれるホイットニー・ヒューストン共演の映画『ボデーガード』はホイットニー・ヒューストン熱唱の主題歌「I Will Always Love You」が流行った。

         

        アンタッチャブル

         

        話を『アンタッチャブル』に戻す。

        プロローグは、カポネが町の床屋で髭をあたっているシーンから始まる。

        床屋の主人が、緊張からか、カポネの顔を傷付けてしまう。

        実際のカポネの顔に残された有名な傷(右側)の由来を何気なく描いた、心にくい場面だが、この傷のことをスカーフェイスとよぶことをご存知だろうか。

         

        アルパチーノ主演の『スカーフェイス』(1983年、デ・パルマ監督)は、ハワード・ホークス監督のギャング映画『暗黒街の顔役』(1932年公開)のリメイクだが、デ・パルマ監督はこの『スカーフェイス』で、ギャング映画の新境地を築いたともいわれている。

        アルパチーノの顔にカポネと同様の傷を付け(左側)、タイトルをカポネの別称ともなったスカーフェイスとしたところに(主人公はカポネではないが)、カポネを十分に意識した映画であったことは間違いない。

         

        蛇足の蛇足。最近、『アンタッチャブル』のテレビ版シリーズ1-1「血を血で洗え」(1959年)、シリーズ1-8「明日なき出獄」(1960年)の2話を観た。てっきりテレビ版『アンタッチャブル』は、ネスとカポネの闘いを描いていたと思っていたが(勝手に)、実はカポネ逮捕後のシカゴを描いていたことを初め()知った。何せ小6か中1時代の記憶だから無理ないか。“シカゴ”、“アンタッチャブル”とくれば、“カポネ”とくるのが自然だが……。

         

        次回もお楽しみに。支配人A

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        ゲッタウェイ

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          ゲッタウェイ

           

          ゲッタウェイ

           

           

          製作:デビッド・フォスター

          監督:サム・ペキンパー

          原作:ジム・トンプソン

          出演:スティーブ・マックイーン

             アリー・マックグロウ

             ベン・ジョンソン

          音楽:クインシー・ジョーンズ

          1973年(昭和48年)日本公開

           

           

          バイオレンス映画の巨匠といわれるペキンパー監督の処女作は『荒野のガンマン』、2作目は『真下がりの決闘』だ。そんなペキンパー監督を一躍有名にした『ワイルドバンチ』も西部劇だった。

           

           

          ゲッタウェイ

           

           

          ペキンパー監督はテレビ初期('50年代)の西部劇『ライフル・マン』(チャック・コナーズ主演)の監督でもあった。この『ライフル・マン』がTV放映されていた当時、『拳銃無宿』('58)でテレビ・デビューしたのがマックイーンである。

          マックイーンは、『荒野の七人』('60)、『大脱走』('63)、『ネバダ・スミス』('65)、『砲艦サンパブロ』('66)、『ブリット』('68)、『栄光のル・マン』('70)と活躍の道を拡げ、大御所の地位を築き上げていった。

          そしてついに、『ジュニア・ボナー』('71)でペキンパー監督と一緒になった。この映画では、ペキンパー監督は持ち前のバイオレンスを追究せず、心優しい西部劇をめざした。だが、興行成績はあまり芳しくなかったときく。観客はペキンパー監督のバイオレンスとマックイーンのアクションを期待したのだ。

           

          観客の期待に応えたのが、まさにこの『ゲッタウェイ』だった。

           

          逃亡先のホテルでの銃撃戦は、ペキンパーの面目躍如。テキサス州のリオグランデ川をはさんでメキシコに接するエル・パソにあるローリン・ホテル(実在)を貸し切り、大量の火薬を使っての撮影で、ホテル自体をボコボコにしたため、ホテルは撮影後、改築のため建て直すはめになったが、その後『ゲッタウェイ』のホテルとしてかなり繁盛したらしい。

          それにつけても、テキサス、リオグランデ、エル・パソときたら、西部劇ファンはドキドキするほどのキーワードだ。

           

          マックイーンは、ショットガンの弾倉を片手で行った。ショットガンの弾倉部を片手で持ち、その手で銃を上下させて弾丸を込め、撃つというものだ。撃つときの姿勢はTV映画『拳銃無宿』を彷彿させるものだった。

          『ターミネータ-2』(ジェームス・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツネッガー主演、'91)で、シュワルツネッガーが大型バイクに跨がりショットガンを撃つシーンがあるが、これは明らかに『ライフル・マン』でのチャック・コナーズのウエンチェスター銃の使い方で、また、コナー少年の母親マリアのショットガンの使い方は、『ゲッタウェイ』でのマックイーンのショットガンの使い方を参考(真似)したものだった。

           

          “the getaway”高飛びのほかに万事うまくやるという意味がある。万事うまくやるは、映画のラストシーンで十分に味わってほしい。実に爽快なラストになっている。

          マックイーンは公開後、共演のアリー・マックグロウと結婚した。万事うまくやるように。

           

          ゲッタウェイ 

           

          ●●●『大脱走』

          ●●●『ブリット』

          ●●●『ネバダ・スミス』

          ●●●『華麗なる賭け』

          ●●●『パピヨン』

           

           

           

          次回もお楽しみに。支配人A

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          プラトーン

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            テーマ:昔の名画
             

            プラトーン

             

            プラトーン

             

            製作:アーノルド・コベルソン

            脚本・監督:オリバー・ストーン

            出演:トム・ベレンジャー

               ウィルム・デフォー

               チャーリー・シーン

            1987年(昭和62年)日本公開

             

            ベトナム戦争を描いた作品は硬軟あわせ多い。『地獄の黙示録』(フランシスコ・F・コッポラ監督、マーロン・ブランド、マーチン・シーン、ロバート・デュバル主演、'80年、後日紹介)、『ディア・ハンター』(マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン主演、'79年、後日紹介)などは硬派の代表作品だが、『ランボー』『グリーンベレー』などは軟派の作品といえる。

            『プラトーン』は硬派の部類に位置する。

             

             

            プラトーン

             

             

            監督のオリバー・ストーンも実際に徴兵され戦争を体験している。そのときの経験が、いかんなく描かれていると思う。観客が戦争を体現しているかの錯覚に陥るのはそのためだ。

             

            新兵テイラー(マーチン・シーン)がベトナムに赴任する。赴任と同時にベトコン相手の過酷なジャングル生活が始まる。

            ある作戦の途中。いつ止むともない雨。ジメつくジャングル。そこでの野営。新兵同士の交代での見張り。目を凝らしても視界に入るのはジャングルのみ。

            彼らの存在そのものを拒絶するかのような雨。そして眠気、緊張と疲労。眠気を覚ますように首から入り込むアリ。風か。揺れる雑草。眠気をおして目を凝らすテイラー。その瞬間。全身を葉っぱでカモフラージュしたベトコンの奇襲。森に轟く爆音。撃ち合い。

             

            このシーンは、実際にこうした場面を体験しなければ描けない。ジメジメしたジャングルとか、どこからともなく現れるベトコンの恐怖などは普通でも描ける。しかし、野営で自分に迫るのがヘビだったりすると、とたんに臨場感が薄れるのだが、日常に公園などで芝生で横になると経験するアリが首筋から入り込む不快さをここでもってくることにより、一気に臨場感が増大する。まさにこれがベトナム戦争だったのだ。

             

            米国がベトナム戦争から手を引いたのは、まさにこういう状況があったからだ。いろいろな政治情勢があったろうが、つまるところ、ベトナム戦争の敗因は、ジャングルとジャングルを知り尽くしたベトコン、そしてほとんどの米国人が味わったことのないジメジメ感だったのだ。米国は、気持ちいい西部劇のような乾いた場面を求めて枯れ葉作戦、ナパーム弾による焦土作戦を実践する。いずれもベトコンの壊滅には至らず、米国に勝利をもたらさないばかりか、全世界に反戦運動を拡げるきっかけにもなる。

            戦争の本質は、恐怖であり、疲労であり、悲惨であり、そして憎悪なのだ。そこには、消耗があるのみで一片の生産性も存在しない。

             

            プラトーン(platoon;小隊)の隊長バーンズ(トム・ベレンジャー)は、冷酷・非情の代名詞のような男。班長エリアス(ウィルム・デフォー)は、戦争においても無益な殺生を否定する男。この2人の存在はそのまま戦争肯定派と戦争否定派の論争に通じる。

             

            やがてテイラーも一人前の兵士として成長する。バーンズとエリアスの間で、どちらともつかぬまま年月が経過する。あるときはバーンズに共感し、またあるときはエリアスに共感しつつ。おそらく当時ベトナムに派遣させられたほとんどの人がそうであったように。

             

            テイラーが故郷の家族に宛てた手紙のなかで、「エリアスとバーンズの反目は、いつまでも続くだろう。ときとしてぼくは、彼らの子供のような気がする」と書く。

            テイラーはまさにベトナム戦争に関係した米国の市井の民といえる。大義などはどうでもいい。米国市民の義務として参加しただけだという。

             

            戦争を後世に伝える義務は、その戦争に参加した者の責務である。それは肯定的でも、否定的でも同じだ。ストーン監督の戦争参加者としての義務感がひしひしと伝わる。

             

            ストーンは、反戦、反権力の監督としても名高い。『JFK』(1992年公開、ケビン・コスナー主演)、『77日に生まれて』(1989年、トム・クルーズ主演)などを撮っている。

             

            プラトーン

             

             

             

            次回もお楽しみに。支配人A



            許されざる者

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              許されざる者

               

              許されざる者

              製作:ヘクト・ヒル・ランカスター・プロ

              監督:ジョン・ヒューストン

              出演:バート・ランカスター

                 オードリー・ヘップバーン

              音楽:ディミトリー・ティオムキン

              1960年(昭和35年)日本公開

               

               

              お若い皆様は『許されざる者』といえば1993年(平成5年)公開のクリント・イーストウッド監督・主演の西部劇を思い出すだろうが、今回ご紹介する『許されざる者』は違う。

              今から51年前の西部劇だ。ただし、スタッフをご覧いただきたい。製作、監督、主演、音楽どれをとっても知る人ぞ知るワクワクものの映画だ。当然、裏切らない。

               

              物語は、開拓一家の長男ベン(バート・ランカスター)と養女レイチェル(オードリー・ヘップバーン)の家族愛を越えた密かな恋に、インディアンとの因縁深き壮絶な闘いを織り交ぜ、壮大なスペクタクルのもと描かれたもの。

               

              レイチェルの素性を巡り、孤立無縁になるザカリー家。家族を愛するがために、何が起ころうとレイチェルを守ろうとするベン。

              しかし、カイオワ族の総攻撃が始まろうとしたそのとき、レイチェルはカイオワ族に身を投じようと、カイオワ族の装束に身を包み、額に真一文字にカイオワ族である証の墨を描き家の外へ行こうとする。そのときベンが弟に交渉役のカイオワ族を撃つように命じる。

              銃声。もんどり打って馬から落ちるカイオワ族の交渉役。

              退路は塞がれた。ベンが言う。

              「もう闘うのみだ!」

               

              この映画の撮影中に、オードリーが再起不能かといわれるほどの落馬事故を負った話は有名。

              レイチェルという特殊な配役のため、裸馬に乗れるという設定がこの映画では重要なことだった。

              乗馬に多少の自信があったオードリーは、裸馬に見立てた馬に乗った(鞍らしきものをある程度隠したもので、当然鐙はない)。

              そして、普通ならスタントマンで撮るシーンに果敢に挑戦した。

              彼女の乗った白馬の名前はデビル(悪魔)だった。

              カチンコと同時に疾走した悪魔は、何に驚いたのか突然ブレーキを掛けたのだから、ひとたまりもない。45m先にもんどり打って投げ出された。刹那。

               

              2カ月後、完治半ばでオードリーは撮影現場に復帰した。そこで撮り残したシーンの撮影が開始された。始めは、オードリーに負担のかからないシーンからだった。

              そして、撮影最終日。問題のシーンの撮影だった。このシーンはとりあえずスタントマンで完了していたが、オードリーは妥協しなかったという。そして再度オードリーでの撮影が行われた。そして、無事、撮影完了。

              オードリーの実生活でのパートナーは(後に離婚)俳優にして監督・製作者であるメル・ファーラーで、クランク・アップ当日は撮影現場を訪れ、オードリーの乗馬シーンを肝を冷やしながら見物していたそうだ。

              この時に使った馬は「悪魔ではなかった」といわれる。当然か。

               

              メル・ファーラーとオードリーの関係は夫婦であった以上に深い。共演作に1956年の『戦争と平和』(キング・ヴィダー監督)、監督作に1959年の『緑の館』、プロデュース作に1967年の『暗くなるまで待って』(テレンス・ヤング監督)など。

               

              許されざる者

               

              次回もお楽しみに。支配人A



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              夜の大捜査線

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                夜の大捜査線


                夜の大捜査線

                製作:ウォルター・ミリッシュ

                監督:ノーマン・ジェイソン 

                原作:ジョン・ポール『夜の熱気の中で』 

                出演:シドニー・ポアチエ

                   ロッド・スタイガー

                   ウォーレン・オーツ 

                音楽:クインシー・ジョーンズ 

                歌 :レイ・チャールズ

                1967年(昭和42年)日本公開

                 

                アメリカ公民権運動の指導者キング牧師が暗殺されたのは1964年、アメリカでの黒人差別を撤廃するための法律である公民権法が成立したのは1965、そしてマルコムXが暗殺されたのも1965年だった。

                自由の国であるはずのアメリカにおいて、黒人が公民権を取得するために、多くの尊い命が犠牲となった事実と、この映画が製作され、公開されたのはそうした社会的事象が起こった2年後の1967年だったことを踏まえてこの映画を観ると、より興味深いものとなること請け合い。また、アメリカは広大な国であるということも念頭に。

                 

                まだまだ人種差別が根強いアメリカ南部の平和(?)な田舎町が舞台。

                深夜巡回中の警官サム(ウォーレン・オーツ)は、町の実業家の死体を発見し、警察署長ビル(ロッド・スタイガー)に連絡する。事件が起こること自体が珍しい町における殺人事件である。早速、ビルはサムを駅へ向かわせる。駅には、朝一番の列車を待つ黒人バージル(シドニー・ポアチエ)がいた。サムはバージルが黒人であるという理由と、黒人なのに大金を所持しているということで、警察署へ連行する。警察署長ビルは、持ち物検査をしてびっくりする。なんと黒人バージルは、フィラデルフィア(大都会)警察の身分証を携帯していたのだ。身分照会するとバージルは殺人課の敏腕刑事で、しかも持っていた大金は彼の給料だったのだ。その額は警察署長ビルのそれを大幅に上回るものだった。

                ビルは、バージルが黒人であることがまず気に入らない。ましてそんな黒人が、白人である自分よりも高い給料を貰っていることが気に入らない。

                しかし、平和な町での殺人事件だ。

                殺人捜査が初めてのビルは、バージルに捜査協力を申し込みたいが、白人としてのプライドが許さない。

                 

                そんなとき警官サムが1人の青年を実業家の財布を所持していたところから容疑者として連行してくる。その容疑者の様子を見ていたバージルは容疑者の利き腕から無罪を主張する。

                そんな経過を経てビルはバージルに捜査協力を依頼する。

                しかし、バージルはここまでの経緯から、協力を固辞する。

                そこで白人のビルが、黒人のバージルを殴る。すると黒人のバージルが、白人のビルにお返しのビンタを喰らわす。思わず泣くビル。この出来事は、ビルの生涯で最初にして最悪の屈辱だった。

                常にガムをクチャクチャと品なく噛み続けるビル。粗野にして、品がなく、傲慢不遜の象徴みたいに描かれる白人ビルの目に涙が。

                 

                物語は、ここからバージルとビルの葛藤と、事件解決へむけての協力が、スリルとサスペンスに彩られて展開する。

                 

                事件は解決し、フィラデルフィアへ帰るために、駅頭に立つバージル。その横にバージルの鞄を持ち見送るビル。

                黒人差別・蔑視という社会的対立、感情的対立を乗り越えた瞬間だった。

                ビルの口にはあの嫌らしいガムを食べる仕草がない。

                ビルには人間的成長を遂げた誇りにも似た自信がみなぎっていた。

                すべてのアメリカ人が勇気を持って、今の現実を享受して欲しいという強いメッセージとともに。

                 

                シドニー・ポアチエは、有色人種という社会的ハンディを克服し、白人主流の映画界に一石を投じた俳優として有名だが、それは、彼一人で達成したわけではない。彼が無名の頃から彼をキャストとして採用した製作者・監督等の力添えも看過できない。

                『手錠のままの脱獄』('58年)、『野のユリ』('63年)、『長い船団』('63年)、『偉大な生涯の物語』('65年)、『砦の29人』('66年)、『いつか見た青い空』('66年)等だ。

                 

                 

                夜の大捜査線 

                 

                 

                次回もお楽しみに。支配人A

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                誰がために鐘は鳴る

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                  誰がために鐘は鳴る

                   

                  誰がために鐘は鳴る
                   

                   

                  製作・監督:サム・ウッド

                  原作:アーネスト・ヘミングウェイ

                  出演:ゲイリー・クーパー

                     イングリッド・バーグマン

                  音楽:ビクター・ヤング

                  1943年(昭和18年)世界公開

                  1952年(昭和27年)日本公開

                   

                   

                  ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイが41歳のときに書いた長編小説の映画化。独伊の後ろ盾を得たファシスト派フランコ将軍と、スペイン共和国軍(人民戦線)との内乱(スペイン内乱)を題材とした作品。ヘミングウェイは、スペイン内乱と同時に反ファシストを謳い、共和国軍を積極的に支持し、人的・財政的援助を厭わなかった。そのときの経験を小説化したのが『FOR WHOM THE BELL TOLLS(誰がために鐘は鳴る)』である。

                   

                  物語は、スペインをこよなく愛するアメリカ人(作者にダブル)の教職者が、スペイン共和国軍の一員となって奮闘する4日間を描いたもの。

                  このアメリカ人ロバート・ジョーダン(ゲイリー・クーパー)と、ファシストに両親を殺された少年(実は女性で名前はマリア=イングリッド・バーグマン)との美しく儚い愛が背景にあり、単なる戦争映画ではなくラブ・ストーリーの側面を有したことから男女を問わずヒットした。

                   

                  ジョーダンは橋梁爆破を任務に、ゲリラと行動をともにする。そこで、頭を短く切り、わざと男子と見まがう恰好をしたマリアと知り合い、恋に落ちる。

                  当然マリアは男性は知らない。そればかりか、キスの経験もない。そこで、マリアはジョーダンに尋ねる。

                  「キスしたいけど、キスの仕方がわからない。

                   鼻はどうすればいいの? 

                   鼻をどうすればいいのかずっと不思議だった。」

                  そして軽いキス。

                  「邪魔になならないのね。」

                  ゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマン、2人とも普通の人より高い鼻の持ち主だ。原作にこのキスシーンの描写があったのか、脚本家の段階で挿入されたのか、撮影時に挿入されたのかは不明だが、いずれにせよこの場面が完成するには、この2人の役者以外に適役が考えられない。また、この2人の会話があることにより、イングリッド・バーグマン扮するマリアの人物像が明確に観客に伝わったことも事実である。

                   

                  やがて、ジョーダンは橋梁の爆破により、瀕死の重傷を負う。そこで、ジョーダンはマリアらを逃がして、追手の追撃を食い止めるために機関銃を抱えて死に臨む。

                   

                  この作品のタイトルは、イギリスの詩人ジョン・ダン1573−1631年)の「そはわれもまた人類の一部なれば/ゆえに問うなかれ/誰がために弔鐘(かね)は鳴るやと/そは汝(な)がために鳴るなれば」(浜野聡訳)からとったものだが、ゲイリー・クーパー扮するジョーダンという主人公の名前が詩人ジョン・ダンに似ているのは、ヘミングウェイ独特のユーモアだったのだろう。

                   

                  この映画は、第二次世界大戦の最中に完成し世界公開されたが、わが国での公開は9年後の1952年だった。パンフレットはこのときのものだが、私がこの映画を観たのはもっと後年のことだった。おそらく渋谷名画座であったろう。

                   

                  主演のゲイリー・クーパーは、超の付くハリウッド・スターで、『真昼の決闘(ハイ・ヌーン)』で2回目のアカデミー主演男優賞を受賞している。その他ビリー・ワイルダー監督の『昼下がりの情事』(1957年公開、オードリー・ヘップバーン主演)、『ベラクルス』、『コロラドへの道』、『六年目の疑惑』等々と数え切れないほど多くの作品に出演している。

                   

                  誰がために鐘は鳴る

                   

                  次回もお楽しみに。支配人A


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                  真昼の決闘(ハイ・ヌーン)

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                    真昼の決闘(ハイ・ヌーン)

                     

                     

                    真昼の決闘(ハイ・ヌーン)

                    製作:スタンリー・クレーマー

                    監督:フレッド・ジンネマン

                    出演:ゲイリー・クーパー

                       ゲレイス・ケリー

                    音楽:ディミトリー・ティオムキン

                    1952年(昭和27年)日本公開

                    1962年(昭和37年)再公開(パンフレットはこの時のもの)

                     

                     

                    西部劇ファンにとって、決闘モノは欠かせない。

                    『真昼の決闘(ハイ・ヌーン)』以外にも、

                    『荒野の決斗』(1946年、ジョン・フォード監督)

                    『白昼の決闘』(1946年、キング・ヴィダー監督)

                    Ok牧場の決斗』(1957年、ジョン・スタージェス監督)

                    『ゴーストタウンの決闘』(1958年、ウィリアム・ホークス監督)

                    『ガンヒルの決闘』(1959年、ジョン・スタージェス監督)

                    『墓石と決闘』(1967年、ジョン・スタージェス監督)

                    などなどだ。

                     

                    ちなみに、『荒野の決斗』『Ok牧場の決斗』『墓石と決闘』はいずれも、米国史上名高い“Ok牧場の決闘を題材にしたものだが、最近でも多く作られている。

                    1971年公開の『ドク・ホリデー』(フランク・ベリー監督、フェイ・ダナウェー共演)、1993年公開の『トゥーム・ストーン』(ジョージ・P・コスマトス監督、カート・ラッセル主演)、1994年公開の『ワイアット・アープ』(ローレンス・カスダン監督、ケヴィン・コスナー主演)などだ。

                     

                    さしずめ、わが国でいえば『忠臣蔵』といったところか。このテーマは作ればヒットしたようだ。

                     

                    今回紹介する『真昼の決闘(ハイ・ヌーン)』は『荒野の決斗』に次ぐ名作といえる。

                     

                     

                    真昼の決闘(ハイ・ヌーン)
                     

                    フレッド・ジンネマン監督といえば、『地上より永遠に』『わが命つきるとも』『尼僧物語』『ジャッカルの日』『日曜日には鼠を殺せ』などなどとどちらかといえば、社会派に属する監督と思われるが、この監督が、西部劇といえばこの人というゲイリー・クーパーを起用して、西部劇の王道決闘モノを撮ったわけだから、避けては通れない。

                     

                     

                    主人公ケーン(ゲイリー・クーパー)と、エミー(グレース・ケリー)の結婚式の当日、ケーンが捕らえて刑務所に送ったならず者フランク(アイアン・マクドナルド)が復讐のために舞い戻って来るという電報が届いた午前1040分から、ケーンとフランクの決闘正が終わる1210分までの90分を、上映時間90分の映画として描いたのだ。

                    観客のもつ実際の時間と、映画上での虚構の時間を合致させたのだ。流石。

                    臨場感溢れるなどと簡単に使うが、正に文字通り臨場感溢れるとはこのことだ。

                    助っ人を求めて町中を駆け回るケーン。

                    ならず者フランクを駅で待つフランクの弟と仲間二人。

                    刻一刻と近づきつつある列車。つまりは決闘の時間。

                     

                    一瞬にしての決着。

                     

                    最後に、作曲家のディミトリー・ティオムキンについて触れる。

                    彼は『真昼の決闘』でアカデミー作曲賞・アカデミー歌曲賞を受賞し、その後ジョン・ウェイン主演の『紅の翼』(1954年)でもアカデミー作曲賞を受賞している。

                    それ以外に『ジャイアンツ』(1956年)、『OK牧場の決斗』(1957年)、『リオ・ブラボー』(1959年)、『ローハイド』(1959年)、『アラモ』(1960年)、『北京の55日』(1963年)など、数々の名曲を残している。

                    ほとんどが口ずさめるメロディーがすごい。

                     

                    “Do not forsake me, oh my darling

                     On this, our wedding day

                     Do not forsake me, oh my darling

                     Wait, wait along”

                     

                    いいね! 名曲だね! 

                    ちなみに、劇中ではカントリー・ウェスタンのテックス・リッターという歌手が歌っていたが、『ローハイド』でおなじみのグランキー・レインがカバーすることにより全世界に流行した。

                     

                    真昼の決闘(ハイ・ヌーン)


                    次回もお楽しみに。支配人
                    A


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                    日曜日には鼠を殺せ

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                      日曜日には鼠を殺せ

                       

                      日曜日には鼠を殺せ
                       

                       

                      製作・監督:フレッド・ジンネマン

                      原作:エメリック・ブレスバーガー

                      出演:グレゴリー・ペック

                         アンソニー・クィン

                         オマー・シャリフ

                      音楽:モーリス・ジャール

                      1963年(昭和38年)日本公開

                       

                       

                      スペイン内乱から20年後、フランスに亡命しているゲリラの元英雄マヌエル(グレゴリー・ペック)と、その逮捕に執念を燃やすスペイン警察署長ヴィノラス(アンソニー・クィン)、2人の確執に巻き込まれていく牧師フランシスコ(オマー・シャリフ)の葛藤を描いたサスペンス。

                      ジンネマン監督はこの作品の後『ジャッカルの日』(既紹介)を撮っている。『ジャッカルの日』に比べると小品だが、グレゴリー・ペック、アンソニー・クィン、オマー・シャリフといった三大スターを起用しての骨太の娯楽作品となっている。

                      映画のタイトルは聖書の黙示録からとった『BEHOLD A PALE HORSE(青白き馬を見よ)』だが、邦題の『日曜日には鼠を殺せ』はブレスバーガーの原作本の題名を和訳したもの。

                      青白き馬にまたがる者の名は。あえてヴィノラスが罠を張って待ち構える地に赴くマヌエル。ヴィノラスの死とマヌエルの死を掛けたタイトルとなっている。

                      また邦題の『日曜日には鼠を殺せ』は、不吉とか縁起が悪いという意味らしい。平日は人の出入りがあり鼠も出ない。ところが日曜日には教会に行ったりして留守がちとなり、鼠の活動も活発になる。したがって、鼠を駆除するのがよいのは日曜日だというだが、安息日(教会へ行く日)に殺生をすることを戒めてもいる。

                      どちらにせともう1つわかりにくいが、おそらく、聖書の黙示録中の言葉よりわかりやすい、という配給会社の意図だったのだろう。

                      どちらがこの映画の題名にふさわしいかは疑問だ。私が配給会社の社員だったら何と付けただろう、などを考えることも面白い。

                       

                      映画の中で、瓦礫に囲まれた空き地で、手作りのボールを用いたサッカーに興じる子供たちが登場する。

                      ヴィノラスが罠を仕掛けるスペインでの緊迫感と、亡命先のアパートに潜むマヌエルの住むフランス国境際の町の平和でのどかな状況を見事に対比してみせる場面だ。

                       

                      革命を失敗し、亡命したマヌエルが、敢えて罠と知りつつヴィノラスの待ち構えるスペインへ戻る意味は何なのか。単に死んだ母親に遭うためだけなのか。パコ少年の父親を殺した張本人ヴィノラスを殺し、仇を取るためなのか。ヴィノラスのスパイとなった裏切り者を征伐するためなのか。

                      否、自分らしく死ねる場所、死地を求めていたと解釈するのが正解のようだ。なかなか重いテーマだ。

                       

                      ラストで新聞記者が「政敵を倒した感想は?」と尋ねる。ヴィノラスは「政敵? 単に盗賊さ!」と答える。このとき、ヴィノラスは青白き馬またがるであるマヌエルに対し、その馬に付き従う黄泉(=死)こそがヴィノラス本人であることを悟った。それがこうした強気の発言になったといえる。

                      ちなみにこの場面で質問した新聞記者は、『ジャッカルの日』の敏腕刑事を演じたミシェル・ロンスデールだった。見落としがちなので要注意。

                       

                      フレッド・ジンネマン監督は、『ジャッカルの日』(ゴールデングローブ監督賞ノミネート)、『地上より永遠に』(アカデミー監督賞受賞)、『わが命つきるとも』(アカデミー監督賞・作品賞受賞)、『真昼の決闘(ハイ・ヌーン』(アカデミー監督賞ノミネート)などでお馴染み。私の好きな監督の一人。ぜひ一作でもご覧いただきたい。入門編としては、『ジャッカルの日』を推薦する。はまること請け合い。

                      『ここより永遠に』

                      ジャッカルの日

                      『ジャッカルの日』

                      『真昼の決闘(ハイ・ヌーン』

                       

                      次回もお楽しみに。支配人A


                      【世界の名画】【世界の名画ベスト100】〜世界の名画作品紹介〜高円寺名画座



                      卒業

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                        卒業

                         

                        卒業
                         

                        製作:ローレンス・ターマン

                        監督:マイク・ニコルズ

                        原作:チャールズ・ウェップ

                        出演:ダスティン・ホフマン

                           アン・バンクロフト

                           キャサリン・ロス

                        音楽:ポール・サイモン

                        歌 :サイモン & ガーファンクル

                        1968年(昭和43年)日本公開

                         

                         

                        サイモン & ガーファンクルの名曲に乗せて、青春の楽しさやほろ苦さなどをそこかしこに散りばめ、青春映画の金字塔を打ち立てた珠玉の一篇。

                        短絡的との誹りを受けても、下世話にいうと、親子丼ぶりといわれるドロドロの三角関係を描いた映画だが、見事に表現された青春の蹉跌と、それを愛情で乗り越えるベン(ダスティン・ホフマン)とエレーヌ(キャサリン・ロス)に感動ものだ。

                         

                        ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)との情事、そのバックに流れる「ミセス・ロビンソン」、ストリップ酒場でのエレーヌとのデート、そこに「オン・ザ・ストリップ」、プール際で打ちひしがえるベン、そこに「サウンド・オブ・サイレンス」、意を決してエレーヌの所に赤いオープンカーで向かうベン、そこに「スカポロー・フェア」、どの場面にもポール・サイモンの曲とサイモン& ガーファンクルの歌が流れ、今でもそれらの曲を聴くと、それぞれの場面が鮮明に浮かび上がる。

                         

                        エレーヌの結婚式が今や始まろうとする教会。そこに突入するベン。教会の2階からガラス窓越しにエレーヌを呼ぶベン。それに気づくエレーヌ。そしてロビンソン夫人と夫、出席者。刹那。後は映画でぜひご覧あれ。

                         

                        Are you going to Scarborough Fair?

                        Parsley, sage, rosemary and thyme,

                        Remember me to one who lives there,

                        For she once was a true love of mine.

                        (あなたはスカポロー・フェアへ行くのかい?


                        パセリ、セージ、ローズマリーそしてタイム、

                        そこに住む人によろしく言ってくれ、

                        彼女は昔の彼女だったから。)

                        「スカポロー・フェア」の出だしの一節だ。この歌はもともとはイギリスの民謡だったらしい。一番気に入った。ところが、「パセリ、セージ、ローズマリーそしてタイム」の歌詞を初めて聴いたとき、「何だ?」と思ったものだ。今でもよくわからないが、変に脳裏に残る。単に4種類の香草(ハーブ)を羅列しただけのフレーズなのだ。

                        わが国の民謡などで、「小皿叩いてチャンチキオケサ」といった意味のない間の手というのがある。それだと考えたらよいのかもしれない。

                         

                        蛇足。ニコルズ監督は、『卒業』劇中歌のすべてをサイモン&ガーファンクルに依頼した。そして、ニコルズ監督は、とりあえず従来から歌われていたサイモン&ガーファンクルの曲をイメージしながら撮影を進めた。映像が完成したところで、できあがった新曲を挿入すればよいと考えていた。ところが、画像が完成したのに、できたのは『ミセス・ロビンソン』の1曲のみ。そこでニコルズ監督は、差しかえるつもりでイメージしていたサイモン&ガーファンクルの既製曲をそのまま入れることにしたわけだ。そして映画、曲が世界的にヒットした。塞翁が馬・・・か?

                         

                        次回もお楽しみに。支配人A



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