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    • 2013.06.19 Wednesday
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    卒業

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      JUGEMテーマ:昔の名画


      卒業

       

      卒業
       

      製作:ローレンス・ターマン

      監督:マイク・ニコルズ

      原作:チャールズ・ウェップ

      出演:ダスティン・ホフマン

         アン・バンクロフト

         キャサリン・ロス

      音楽:ポール・サイモン

      歌 :サイモン & ガーファンクル

      1968年(昭和43年)日本公開

       

       

      サイモン & ガーファンクルの名曲に乗せて、青春の楽しさやほろ苦さなどをそこかしこに散りばめ、青春映画の金字塔を打ち立てた珠玉の一篇。

      短絡的との誹りを受けても、下世話にいうと、親子丼ぶりといわれるドロドロの三角関係を描いた映画だが、見事に表現された青春の蹉跌と、それを愛情で乗り越えるベン(ダスティン・ホフマン)とエレーヌ(キャサリン・ロス)に感動ものだ。

       

      ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)との情事、そのバックに流れる「ミセス・ロビンソン」、ストリップ酒場でのエレーヌとのデート、そこに「オン・ザ・ストリップ」、プール際で打ちひしがえるベン、そこに「サウンド・オブ・サイレンス」、意を決してエレーヌの所に赤いオープンカーで向かうベン、そこに「スカポロー・フェア」、どの場面にもポール・サイモンの曲とサイモン& ガーファンクルの歌が流れ、今でもそれらの曲を聴くと、それぞれの場面が鮮明に浮かび上がる。

       

      エレーヌの結婚式が今や始まろうとする教会。そこに突入するベン。教会の2階からガラス窓越しにエレーヌを呼ぶベン。それに気づくエレーヌ。そしてロビンソン夫人と夫、出席者。刹那。後は映画でぜひご覧あれ。

       

      Are you going to Scarborough Fair?

      Parsley, sage, rosemary and thyme,

      Remember me to one who lives there,

      For she once was a true love of mine.

      (あなたはスカポロー・フェアへ行くのかい?


      パセリ、セージ、ローズマリーそしてタイム、

      そこに住む人によろしく言ってくれ、

      彼女は昔の彼女だったから。)

      「スカポロー・フェア」の出だしの一節だ。この歌はもともとはイギリスの民謡だったらしい。一番気に入った。ところが、「パセリ、セージ、ローズマリーそしてタイム」の歌詞を初めて聴いたとき、「何だ?」と思ったものだ。今でもよくわからないが、変に脳裏に残る。単に4種類の香草(ハーブ)を羅列しただけのフレーズなのだ。

      わが国の民謡などで、「小皿叩いてチャンチキオケサ」といった意味のない間の手というのがある。それだと考えたらよいのかもしれない。

       

      蛇足。ニコルズ監督は、『卒業』劇中歌のすべてをサイモン&ガーファンクルに依頼した。そして、ニコルズ監督は、とりあえず従来から歌われていたサイモン&ガーファンクルの曲をイメージしながら撮影を進めた。映像が完成したところで、できあがった新曲を挿入すればよいと考えていた。ところが、画像が完成したのに、できたのは『ミセス・ロビンソン』の1曲のみ。そこでニコルズ監督は、差しかえるつもりでイメージしていたサイモン&ガーファンクルの既製曲をそのまま入れることにしたわけだ。そして映画、曲が世界的にヒットした。塞翁が馬・・・か?

       

      次回もお楽しみに。支配人A



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      ニュールンベルグ裁判

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        JUGEMテーマ:昔の名画
         

        ニュールンベルグ裁判



         

        制作・監督:スタンリー・クレイマー

        原作・脚色:アビイ・マン

        出演:スペンサー・トレイシー

           バート・ランカスター

           リチャード・ウィドマーク

           マリーネ・デートリッヒ

           モンゴメリー・クリフト

        1962年(昭和37年)日本公開

         

        第二次世界大戦での戦勝国が、敗戦国であった日本を裁いた東京裁判、ドイツを裁いたニュールンベルグ裁判がその正当性という観点からもう一度見直そうとする動きがある。

        私がこの映画を最初に見たのは、公開当初ではなかったように思う。おそらく社会人になってからのリバイバル公開時だったろう。なぜなら、学生運動華やかなりし大学時代はノンポリで通し、社会人になってから労働運動などを通じて初めてナショナリズムなどを意識するようになったからだ。ちょっと奥手だった。

         

        最近、藤原正彦『日本人の誇り』を読み、その内容に共感したこともあって、再度この映画を観た。

        ナショナリズムとかパトリオティズムといったポリティカル・エモーションは若気の至りと横に置いて。

         

        少なくとも、ビルケナウ、アウシュビッツ等々で行われたホロコーストは理解していたが、断種政策については知らなかった(劣性遺伝による疾患に侵された子供たちの抹殺は知っていたが)。それもアーリア人(非ユダヤ系白人)に対する断種行為はもとより、ゲルマン民族、いわば同族民族も決して断種行為の対象外ではなかったことを知って驚いた(正確には昔観た映画なのに忘れたといえる)。

         

        断種法の犠牲となったパン職人を演じたモンゴメリー・クリフトの演技に驚くとともに、ナチ統治下で行われた断種法の実態をみた思いがした。

        10人も兄弟がいたなかでなぜ彼のみが断種させられたのか。それは小学生当時、「猟師・野ウサギ・野原」で単文を作ることができなかったためなのだ。

        法廷において被告人らの弁護士であるマクシミリアン・シェルが同じ設問を証人に投げかける。

        やはり彼は単文を作ることができない。

        弁護士が言う。断種法施行時、どんなにそれが悪法であれ法律として有効である以上、裁判官は判決を下す義務がある、というのである。

        何と恐ろしいことか。

         

        このように、ナチスの非人道的行為が裁かれた裁判であったが、この映画での被告4人がナチス政権下での司法大臣(バート・ランカスター)と3人の裁判官であったことも忘れていた。

        この映画は延々と繰り広げられる裁判シーンで有名だが、ちょっとした生き抜き場面(?)がよかったし、考えさせられた。

         

        ニュールンベルグ裁判では、まず軍人・軍属が裁かれた。そこで有罪となり絞首刑となった将軍夫人のマリーネ・デートリッヒと、役人を裁く当法廷の裁判長であるスペンサー・トレイシーが、ピアノコンサートの帰途、瓦礫と化したニュールンベルグの街を歩く場面だ。

        すでに戦後数年を経ているので、街には居酒屋も復活していた。そんな居酒屋から大戦中にドイツで流行した歌謡曲「リリー・マルレーン」を合唱する酔っ払いの声と、千鳥足で「リリー・マルレーン」を歌いながら出てくる市民をよそに、ゆっくりと歩く2人のシーンだ。

        マリーネ・デートリッヒは英訳詩をさりげなく口ずさむだけ。決して歌わない。

         

        彼女はベルリン出身だが、大戦中にアメリカに亡命したハリウッド女優だ。その彼女が大戦中に連合軍兵士を慰問し、そこで披露した曲がこの「リリー・マルレーン」だ。

        たくさんの兵士を前に、かなり頽廃的に(?)この曲を歌う彼女の映像は後の記録フィルムで覚えている。

        また彼女のそうした行為のため、彼女はドイツ国民から戦後かなり非難されたともきいている(後述)。

        あえてお堅い法廷映画で、このシーンがなぜ必要で、そもそもなぜ将軍夫人がマリーネ・デートリッヒだったのか。

        なぜ、そこでの曲が「リリー・マルレーン」だったのか。

         

        本編の裁判場面では、圧倒的スタンスでナチ批判を繰り広げた監督スタンリー・クレイマーだが、この場面では何を表現したかったのか。

         

        国が国を裁くことさえ色々問題があるのに、ましてその国民の責任はどこまで裁けるのか。

         

        マリーネ・デートリッヒ演じる将軍夫人は、もちろんナチ政権下の将軍夫人を演じたわけだが、どこまでナチの国家責任を市民が負えるのかという難しいテーマの代表者として登場させているのではなかろうか。

         

        「私の夫は職業軍人であるにもかかわらず、処刑は絞首刑で銃殺刑ではなかった。軍人としての尊厳さえも奪われた。そんな権利が戦勝国にあるのか。」という一言は重い。

        職業軍人であるがために、敗戦の責任をとらされ、人間としての尊厳さえも奪われ殺された。

        ではその妻である一般市民も、贖罪として責任の一端を負わねばならないということか。

         

        連合軍を前に「リリー・マルレーン」を歌ったドイツ人であるデートリッヒは、戦後、ドイツ国民の裏切り者の代表者として、いわれなき迫害を受けた。

        それは、ある意味ナチが行った迫害と同様であった。

        敗戦国民だからという理由で、なぜ裁かれねばならないのかと言いつつ、口先が乾く間もなく、率先してデートリッヒを責める。そんな理不尽さに対する監督のメッセージが聞こえるシーンだった。

         

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        ジャッカルの日

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          JUGEMテーマ:昔の名画
           

          ジャッカルの日

           

          ジャッカルの日

           

          監督:フレッド・ジンネマン

          製作:ジョン・ウルフ

          原作:フレデリック・フォーサイス

          脚本:ケネス・ロス

          出演:エドワード・フォックス

             ミシェル・ロンスデール

          1973年(昭和48年)日本公開

           


          『ジャッカルの日』で一躍驚異的な評判を得て世界的ベストセラー作家の仲間入りを果たしたフレデリック・フォーサイスは、執筆時
          35歳だったという。フォーサイスの原作本の特徴は、物語がまるで映画を観ているように進行するところにある。この表現法は2作目の『オデッサ・ファイル』、3作目の『戦争の犬たち』でも、また、最近出版された『アフガンの男』でも踏襲されている。

           

          製作者であるジョン・ウルフは原作が発表される以前に映画化権を取得し、出版翌年には映画化している。おそらく、原作本を読むのと同時に映画での場面が浮かんできたのだろう。それくらい、映画的な原作本だったといえる。

           

          フランスのアルジェリアからの撤退決定後、秘密軍事組織OASは、ドゴール大統領暗殺計画を実行に移すが、ことごとく失敗に終わる。そこで10数人の中から選ばれたコードネームジャッカル(エドワード・フォックス)にすべてを託し、暗殺計画がスタートする。

          ジャッカルの条件は、契約金は50万米ドル、ただし半金は着手金として前渡し、暗殺法はジャッカルの自由で、ドゴールの居場所は常にジャッカルに報告する、着手金の入金が確認された以降、計画はスタートし、中止はできないというものだった。

          OAS50万ドルを確保するために銀行強盗をしたり、ドゴールのスケジュールをつかむために色仕掛けで大臣に接近したりと、あらゆる手段を講じていく。

          一方、ジャッカルは暗殺のための準備を着々と進める。色々なパスポートの取得、注文武器の製作依頼と取得、そして試し撃ち。

          そこに大統領暗殺計画の存在を薄々であるが感じ取るルベル警視(ミシェル・ロンスデール)が登場する。ロンスデール演じるルベル警視は見た目は何とも情けない感じだが、徐々にジャッカルに近づく豪腕警官だった。

           

          1963825日、ジャッカルが暗殺実行日に選んだ「フランス解放記念日」がやってくる。

          ルベル警視はどうやってジャッカルを阻止するのか。

          万全に用意されたと思われるジャッカルの計画のどこに穴があったのか。ドゴール大統領は暗殺されてはいないことから、穴があったことは明々白々。

          一気にラストに向かうクライマックス。

           

          余談だが、ルベル警視を演じたミシェル・ロンスデールは、ジンネマン監督の『日曜日には鼠を殺せ』(後日紹介)というスペイン内乱を扱ったサスペンス映画の最後の最後に新聞記者としてちょこっと出ている。本名画座で紹介するために再度見直したところ発見した。

          こういう発見って結構楽しいものだ。

          以後、彼は『007ムーンレイカー』('79)、『炎のランナー』('81年)、『薔薇の名前』('86年)と数多くの作品に出演している。

          ちなみに、現在では英語読みした「マイケル・ロンズデール」が一般的。

           

          フレッド・ジンネマン監督は、『真昼の決闘(ハイ・ヌーン)』('52年)、『地上より永遠に』('53年)、『日曜日には鼠を殺せ』('64年)などでお馴染みの監督。

           

          ジャッカルの日

           


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          荒野の七人

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            JUGEMテーマ:昔の名画
             

            荒野の七人

             

            荒野の七人

            製作・監督:ジョン・スタージェス 

            脚本:ウォルター・ニューマン 

            出演:ユル・ブリンナー

               スティーヴ・マクィーン  

               ホルスト・ブーフホルツ

               チャールズ・ブロンソン

               ロバート・ヴォーン

               ブラッド・デクスター 

               ジェイムス・コバーン

            音楽:エルマー・バーンスタイン

            1961年(昭和36年)日本公開

             

             

            言わずと知れた、黒澤明監督の名作中の名作『七人の侍』(1954年公開)のリメーク西部劇だ。

            黒澤明監督の『用心棒』(1961年公開)も、セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演で『荒野の用心棒』(1965年公開)(後日紹介)としてリメークされ、世界的ヒット作品となった。マカロニウェスタンという言葉が誕生したのは『荒野の用心棒』からだ。

             

            映画のリメーク作品というのは難しい。ある意味原作本があって、それを映画化する以上に難しい。画像があるためにどうしても基になった作品を意識してしまう。そんなこんなを杞憂として、スカッ! とリメークしたのがこの作品だ。

             

            大義名分という言葉がある。1つの行動を起こすとき、必ずこの大義名分を持ち出す人がいる。しかし、すべての行為に正答があるとは限らない。「何となく」というのも正答たりえる。「何となく」の行為をみて「何かがあるはずだ」というのを下司の勘ぐりという。

            まさにこの映画は、「何となく」というガンマンと、「何かがあるはずだ」というガンマンの闘いだ。

            だが、映画の根底には、今、生きている環境を享受し、決して他をねたまない人生こそが最高だ、と言わしめる、貧しく、そして暴力に虐げられる農民がいることを見逃さないでほしい。

            さりげなく重い主題を打ち出しつつ、それを大上段に振りかざさず、あくまで超娯楽作品として軽く、楽しく、恰好良く描ききったジョン・スタージェス監督は流石。 

             

            食わず嫌いで『七人の侍』を観ていない人も結構いる。モノクロだから、時代劇だからという人もいる。でも騙されたと思ってまず『荒野の七人』を観てみよう。それから本家の『七人の侍』に戻るというのも一興かも。

             

            テンガロンハットを顔に乗せ、長い両足をまっすぐ伸ばし、柵を背もたれに、地べたに座り込むブリット(ジェイムズ・コバーン)。その彼をしきりに挑発する早撃ちガンマン。無視するブリット。しつこく決闘に持ち込もうとするガンマン。

            スクッ! と立ち上がるブリット。ガンマンとの決闘に臨み、対峙するブリット。息つく間もなく瞬時に相手をナイフで倒す。そして何事もなかったように元の場所へ、何事のなかったように元の恰好に。無駄のない一挙手一投足には、まるで上質の踊りを観ているようだ。

             

            彼の跳ねるような演技は、彼の癖といえる。ジェイムズ・コバーン主演のフリント・シリーズ『電撃フリント・Go!Go!作戦』『電撃フリント・アタック作戦』などではこの辺のキレがいかんなく発揮されている。

             

            大スターといえばユル・ブリンナーに触れないわけにはいかない。彼はこの『荒野の七人』当時、すでに大スターだった。というより7人のうち彼のみがに大スターだったと表現したほうが正しい。

            『十戒』('56年)、『王様と私』('56年)、『追想』('56年)、『ソロモンとシバの女王』('59年)、『隊長ブーリバ』('62年)、『太陽の帝王』('64年)、『ザーレンからの脱出』『巨大なる戦場』など。

             

            彼の坊主頭は、『王様と私』でシャム国(現在のタイ国)の国王を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞したことから、以後、坊主頭をトレードマークとした。したがって、モーゼの出エジプト記を扱った『十戒』では、エジプトのラムセス王を演じていたが、この時は坊主頭ではなかったと記憶する。ファラオの冠を着けていたので定かではないが。

            『王様と私』と同時期に撮影されていたロシア・ロマノフ家の皇女アナスタシアを取り上げた『追想』(イングリッド・バーグマン共演)では、同時期の撮影という物理的理由により坊主頭にならざるをえず、それがその後に定着していったと思われる。

             

             

            荒野の七人
             


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            ベン・ハー

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              JUGEMテーマ:昔の名画
               


              ベン・ハー

               

              ベン・ハー

              監督:ウイリアム・ワイラー

              製作:サム・ジンバリスト

              原作:ルー・ウォーレス将軍

              脚本:カール・タンバーグ

              出演:チャールトン・ヘストン

                 ジャック・ホーキンス

                 スティーブン・ボイド

                 ハイヤ・ハラリート

              音楽:ミクロス・ローザ

              1960年(昭和35年)日本公開

               

              米国南北戦争の英雄として有名なルー・ウォーレス将軍になる世界的ベストセラー小説『ベン・ハー』(子供対象用)を、誕生日のプレゼントで貰ったのは小学高学年のころで、23頁読んでそのまま本棚の肥にした覚えがある(映画を観た後、再度挑戦したがやはりだめだった)。

              そんな『ベン・ハー』が日本公開されたのは、私が中学生のときで、姉に連れられて銀座の映画館で観た。大スクリーン(70ミリフィルム)に繰り広げられる壮大なドラマに感動し、興奮冷めやらぬまま映画館を出たことを今でも思い出す。家に帰って本棚の肥『ベン・ハー』に日の目をあてたが、やはり数分後に再度肥へと……。その後どうなったか。

               

              『ベン・ハー』は宗教色が強い本だ。しかし、原作者のウォーレス将軍はキリスト教の敬虔な信者ではなかったというし、ましてプロパガンダとしてこの本を執筆したわけでもなかったという。しかし、8年の歳月を経て書き上げ、世界中のベストセラーになり、再三にわたり映画化、舞台化されたことは、本文中にも登場するキリストの奇跡に匹敵する出来事とまでいわれた。

               

              そんな原作を、宗教色を残したまま、娯楽超大作に仕上げたワイラー監督は、流石。

               

              ローマ軍のエルサレム入城シーン、ローマ艦隊とマケドニア艦隊との海上戦闘シーン、ゴルゴダの丘でのキリストの処刑シーン、エルサレムの闘技場シーン、どのシーンをとっても月並みだがすごい!の一言につきる。おそらく現在ではデジタル技術でどうともなるのだろうが、アナログで、ここまで完成させたことは驚嘆に値する。

               

              エレサレムの闘技場での戦車競争は、ユダヤの貴公子ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)とベン・ハーの幼なじみにして運命の宿敵メッサラ(スティーブン・ボイド)の一騎打ちの場面だ。

              広大な石切り場に造られた、後にも先にも史上最大のシングル・セットとなった闘技場、闘技場中央に高さ100mほどの4体の巨像をもつ楕円形の島、その島を取り囲む14km、直線距離460mのトラック、15,000名のエキストラ、そこで繰り広げられる4頭立ての戦車による壮絶なバトル。

              メッサラの卑怯な方法により次々と倒されていく競技者。2台の潰された戦車を飛び越えるベン・ハー。周回数を数える巨大な魚のカウンター。観客の歓声。メッサラの戦車の車軸にセットされた強烈ドリルが、相手の車輪を破壊していく(後にジェームズ・ボンドのアストンマーチンDB5にこの秘密兵器が登場する)。メッサラのムチによる激しい攻撃をよけるベン・ハー。

              6台のMGMカメラ65(当時の価格で13,500万円)を駆使してアナログ撮影された闘技場での競争シーンは、歴史的名シーンとして今後も語り継がれていくだろう。大画面での上映機会に遭えたら、ぜひ観ていただき、そして私が得た興奮を味わっていただきたい。

               

              チャールトン・ヘストンについて触れよう。

              『十戒』('56年、セシル・B・デミル監督)で、モーゼを演じ、一躍スターダムに。その後『エル・シド』('61年、サミュエル・ブロンストン監督)、『北京の55日』('63年、ニコラス・レイ監督)、『ダンディ少佐』('65年、サム・ペキンパー監督)、『猿の惑星』(フランクリン・J・シャフナー監督)などなど。

              最近では、コロンバイ高校で起こった銃乱射事件を扱ったマイケル・ムーア監督のドキュメント映画『ボウリング・フォー・コロンバイ』('02年)で、ムーア監督の突撃インタビューで、全米ライフル協会会長としてのコメントを求められ、不快をあらわにするヘストンの姿が映し出された。このころすでにアルツハイマー病を発症していたが、往年の大スターの幕引きとしては、非常に残念なものだった。

               

               

              ベン・ハー


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              慕情

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                JUGEMテーマ:昔の名画


                慕情
                 

                慕情 


                製作:パディ・アドラー

                監督:ヘンリィ・キング

                原作:ハン・スーイン

                出演:ウィリアム・ホールデン

                   ジェニファー・ジョーンズ

                音楽:アルフレッド・ニューマン

                1955年(昭和30年)日本公開

                 

                これぞラブ・ストーリーの極到。イギリス系中国人ハン・スーインの自伝的小説『LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING』の映画化作品。

                 

                舞台は、1949年当時の香港。戦争未亡人にして病院に勤める女医ハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)と、妻との不仲問題を抱えながら、単身赴任中のアメリカの報道記者マーク・エリオット(ウィリアム・ホールデン)の恋の行方が、香港の名所をバックに、美しい主題曲・歌とともに繰り広げられる。

                 

                私がこの映画を観たのは、20歳のころで、渋谷の名画座で、大学の授業の合間だったと思う。おそらく、同じクラスの友人(男性)と行ったと思う。なぜ男性だったかというと、女性と観た記憶がないからだ。わかりやすい。こんなロマンチックな映画をデートで観ていたなら、絶対にそのときの情景が頭に残っているはずなのだが・・・。

                ちなみに、パンフレットは、公開当時のもの。

                 

                映画の原題は原作と同様の『LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING』だが、わが国の配給会社は『慕情』ときた。これは、原題『PEPE LE MOKO(ペペルモコ)』、邦題『望郷』(ジュリアン・デビビエ監督、ジャン・ギャバン、ミレーユ・バラン主演、'39年公開)、原題『WATERLOO BRIDGE』、邦題『哀愁』(マービン・ルロイ監督、ロバート・テイラー、ビビアン・リー主演、'49年公開)のヒットに倣ったもの。それにしても実にうまい邦題だ。同年公開の原題『Summertime』が邦題『旅情』(デビッド・リーン監督、ロッサノ・ブラッツィ、キャサリン・ヘプバーン主演、'55年公開)でヒットした。『旅愁』(ウィリアム・ディターレ監督、ジョセフ・コットン、ジョーン・フォンテーン主演、'50年公開)、『別離』(グレゴリー・ラトフ監督、レスリー・ハワード、イングリッド・バーグマン主演、'39年公開)というのもあった。どれもが2字熟語を冠したラブ・ストーリーだ。当然、無理矢理かな?というものもあるだろうが、配給会社の宣伝マンの腕の見せ所という話を、淀川長治氏が語っていたのを思い出す。

                 

                 

                慕情 

                 

                香港の“100万ドルの夜景(ビクトリア・ピークからの眺め)は映画公開前から有名だった。この映画では、スーインの勤める病院の裏手の美しい丘として重要な場面で出てくる。映画公開後は、夜景目当てではない『慕情』目当ての昼間の観光客が増加したという。マークが現れる幻影の背景にあった大きな木も健在。観光ガイドもそれを売りにしている。

                 

                次回もお楽しみに。支配人A

                 
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                死刑台のエレベーター

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                  JUGEMテーマ:昔の名画


                  死刑台のエレベーター



                  死刑台のエレベーター


                  監督:ルイ・マル

                  原作:ノエル・カルフ

                  出演:モーリス・ロネ

                     ジャッヌ・モロー

                     リノ・バンチェラ

                  音楽:マイルス・デイビス

                  1958年(昭和33年)日本公開

                   

                  物語は、道ならぬ恋のために完全犯罪を企む2人(モーリス・ロネ、ジャッヌ・モロー)と、町の不良2人(ジョルジュ・プージュリー、ヨリ・ベルタン)が偶発的に起こした2つの殺人事件を、当時25歳の新人ルイ・マル監督が斬新な映像で撮り、ヌーベルバーグの嚆矢となった映画といわれる。

                   

                  タベルニエ(モーリス・ロネ)は、自分が勤める会社の社長夫人フロランス(ジャッヌ・モロー)と不倫関係に陥る。社長が海外出張の当日、2人は夫を殺害する完全犯罪を企む。

                  自殺に見せかけた犯罪は筋書きどおりに進む。

                  タベルニエは守衛に声をかけて退社し、路駐していたオープンカーに乗り込もうとし、今しがた殺してきた社長が横たわる社長室を何気に見上げる。

                  社長室のベランダには犯罪後に移動で使ったロープがぶら下がったまま、風になびいていた。まるで十三階段のロープのように。

                  あわててロープを回収すべく会社へ戻るタベルニエ。そしてエレベーターへ。

                  エレベーターが上昇したとたん、会社に残っている者がいないことを確認した守衛が電源を落としてしまう。タベルニエがエレベーターに居ることも知らずに。そして、守衛は入り口のドアーを施錠し帰宅してしまう。

                  用意周到に練られた完全犯罪は1本のロープからほころび始める。天網恢々粗にして漏らさず。

                   

                  同時刻、町の不良2人が、路駐していたタベルニエのオープンカーを盗む。そしてドライブに出かける。ドライブの途中、物色するために開けたダッシュボードにタベルニエの護身銃を見つける。すっかりドライブを楽しんだ2人はモーテルに。そこで、ひょんなことからドイツ人の旅行者をタベルニエの銃で撃ち殺してしまう。

                   

                  同時刻、完全犯罪を成し遂げたタベルニエと落ち合う約束をしていた社長夫人フロランスは、カフェで待ち合わせ時間が来るまで待つ。すると、タベルニエのものと思われるオープンカーが、1人の若い女性を乗せて走り去るのを、カフェの窓越しに目撃する。一抹の不安がよぎるが、そんなはずはないと、タベルニエとの待ち合わせ時間が来るまで待つ。

                  そして、待ち合わせ時間が来るが、タベルニエは来ない。そればかりか、タベルニエの車もない。

                  タベルニエが行くであろうバーやレストランを探す。降り始めた雨のなか、タベルニエを探して町中を歩き回るフロランス。

                   

                  同時刻、エレベーター内。タベルニエは床の板を外し、地上に繋がる真っ暗なエレベーターの底に向けて、火のついた紙片を落とす。どこまでも落ちていく紙片。

                  そのとき、夜警で巡回にきた守衛が電源を入れる。すると、突然動き出すエレベーター。ところが、後少しで出られるというところでストップ。そして、再びの暗闇。

                  閉所恐怖症や高所恐怖症の方にはつらい場面の連続。

                   

                  新人監督ルイ・マルは、この映画を作るために独立プロダクションを設立した。

                  そして、ルイ・マルの誘いに、当代一流の俳優が、そして音楽家が参画し、この映画が完成した。

                  マイルス・デイビスのトランペットによるけだるい音楽をバックに、けだるさや退廃さを演技させたら右に出る者はいないと思われるジャッヌ・モロー、実直とかその裏に潜む野望や影などを演じたら右に出る者はいないモーリス・ロネ、嫌らしいほど執拗に犯人を追い詰める刑事を演じたら右に出る者はいないリノ・バンチェラなど、十二分にそれぞれの個性を活かし、見事に完成させたルイ・マル監督の才能には驚かざるをえない。

                   

                  しかし、この後に『恋人たち』(1958年、ジャンヌ・モロー主演)、『地下鉄のザジ』(1960年、カトリーヌ・ドモンジョ主演)『ビバ・マリア』(1965年、ブリジッド・バルドー主演)などを撮ったが、もう1つぱっとしなかった。ヌーベルバーグの旗手とか、先駆者といわれたためではないだろうが、商業主義的映画から距離を置いたこれら作品は、一部のマニア以外にはあまり評価されていない。

                   

                  後年キャンディス・バーゲンと結婚したが、63歳で病死。

                   

                  次回もお楽しみに。支配人A


                   
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                  太陽がいっぱい

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                    太陽がいっぱい

                     

                    監督:ルネ・クレマン

                    原作:パトリシア・ハイスミス

                    出演:アラン・ドロン

                       モーリス・ロネ

                       マリー・ラフォレ

                    音楽:ニーノ・ロータ

                    1960年(昭和35年)日本公開

                     

                     

                    原作は、英国推理作家協会賞(『殺意の迷宮』)を受賞した米国女流作家パトリシア・ハイスミスによる長編第3作『才人トマス・リプレイ』(仏国推理作家協会賞受賞)の映画化作品。ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』は、彼女の長編第1作の映画化作品。

                     

                    主人公リプレイを見事に演じたのがデビュー3作目のアラン・ドロン。おそらく60年代にイケメンという言葉があったとしても、そんな薄っぺらな存在ではない。隣にいるお兄さんなんて、所詮そんな程度の存在ということだ。

                    完璧な造形的美貌、そこかしこ醸し出される知性、翳りの奥に潜む虚無、そんなすべてがリプレイに、そして演じるドロンにあった。だからこの映画が世界的にヒットしたのだ。

                    ジェラール・フィリップ、ジェームス・ディーンの再来かとも喧伝された。私はちょっと違うのではという印象をもった。なぜかといえば、彼らは完璧な美貌の持ち主で、湧き出る知性を感じさせたが、翳りを潜ませた犯罪者を演じることはできなかったのではないかと思われるからだ。

                     

                    都会の荒波にのまれながら、プロボクサーの役をニヒルに演じきった『若者のすべて』(ルキノ・ビスコンティ監督)、メキシコ亡命中のトロツキーをピッケルで暗殺した青年を演じた『暗殺者のメロディ』(ジョセフ・ロージー監督、リチャード・バートン共演)と、いずれも難しい役を見事に演じきっている。

                    キムタク、エイタ、オサムったって所詮隣の兄ちゃんレベル、リプレイを演じたドロンの足下にも及ばない。比較しちゃ可哀想か。

                     

                     

                    太陽がいっぱい
                     

                     

                    フリップ(モーリス・ロネ)を殺し、彼の財産を盗り、彼の恋人マルジェ(マリー・ラフォレ)をも我が者にすることで、欲望のすべてを手に入れたリプレイ。海から戻りビーチハウスのビーチチェアに横たわり、深い満足感を謳歌するリプレイ。

                    ビーチハウスのおばさんが声をかける。「具合でも?」

                    リプレイが応える。「太陽がいっぱいだよ・・・最高の気分だ!」

                    刑事に促されて再度リプレイに声をかけるおばさん。「リプレイさん! お電話です」

                    逆光に額に手をかざして声のする方を見るリプレイ。

                    ニーノ・ロータの美しい名曲をバックに、リプレイの完全犯罪の行方は…。

                     

                    次回もお楽しみに。支配人A

                     
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                      鳥鳥


                       

                      鳥

                       

                      制作・監督:アルフレッド・ヒッチコック

                      原作:ダフネ・デュ・モーリア

                      出演:ロッド・テイラー

                         ティッピー・ヘドレン

                         スザンヌ・プレシェット

                      1963年(昭和38年)日本公開

                       


                      メラニー(ティッピー・ヘドレン)はサンフランシスコで出会った弁護士ブレナー(ロッド・テイラー)に遭うためある寒村を訪れる。

                      その途中の海上で、突然カモメに額をつつかれる。

                      暗示。やけに激しい鳥の鳴き声。

                      ここから、鳥と人間との激しい闘いがはじまる。

                      まさに、鳥肌もののシーンにつぐシーン。

                      小学校のブランコの鉄棒の上の数羽のカラス。何気なく振り向くと、電線という電線に止まる無数のカラス。下校途中の小学生に襲いかかるカラスの群れ。

                      突然にブレナー家の暖炉から飛び込んでくるフィンチ(スズメに似た鳥)の群れ。暖炉をやっと塞いで、一安心といったところ。しかし何やら二階の部屋で聞いたことのない音。行かなければいいのに、恐る恐る部屋に入って懐中電灯をつけるメラニー。部屋中にビッシリと詰まったフィンチの群れが突然の灯りに暴れる。あまりの出来事に失神してしまうメラニー。

                      ガソリンスタンドで電話をかける人に襲いかかるカモメ。次の瞬間、観客の視点はカモメの眼に。まさに俯瞰図ならぬ鳥瞰図。ガソリンスタンドから流れるガソリンの道。その先で引火し爆発するガソリン。

                      カモメがそのスペクタクルをさも楽しんいるようなシーン。

                      この闘いはどこまで続くのだろうか。平穏な日常生活は何をきっかけにして取り戻せるのだろうか。観客をスクリーンに釘付けにして物語は進む。

                       

                      私は、この映画を観るまでは、スザンヌ・プレシェットのファンだった。トロイ・ドナヒューとの『恋愛専科』という青春ドラマでメロメロだった。

                      しかし、グレース・ケリーの再来と謳われたティッピー・ヘドレンをみたとたん宗旨替え。バツイチ・子持ちの彼女は『鳥』でのデビューを果たした後、ヒッチコック監督、ショーン・コネリー、ティッピー・ヘドレン主演という豪華キャストの『マーニー』というサイコ・スリラーに出演したが、その後、スクリーンから姿を消している。残念。

                      それにしても、どうしてこうヒッチコック監督と女性の趣味が一致するのだろう? 前出のグレース・ケリー(『裏窓』『ダイアルMを回せ』)、ティッピー・ヘドレン、スザンヌ・プレシェット(『鳥』)、エヴァ・マリー・セイント(『北北西に進路をとれ』)、キム・ノヴァク(『めまい』)、ジャネット・リー(『サイコ』)、ジュリー・アンドリュース(『引き裂かれたカーテン』)などなどである。

                       

                      鳥

                       


                      ヒッチコック監督は、万人が
                      美人と認める女優に、極限の恐怖を味わわせることにより、観客の正義感を刺激し、スクリーンにどっぷり取り込むというテクニックをいかんなく発揮したのではなかろうか。計算しつくしたキャスティングである。そこにまんまと乗せられ、俺が助けてやらなきゃと感じる観客が何人いることか。私を含めて。

                       

                      次回もお楽しみに。支配人A



                       
                      【名画:世界の名画・日本の名画】高円寺名画座〜昔の映画作品紹介ベスト100〜



                      ウエスト・サイド物語

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                        ウエスト・サイド物語

                         

                         

                        監督:ロバート・ワイズ

                           ジェローム・ロビンズ

                        製作: ロバート・ワイズ

                        出演:ナタリー・ウッド

                           リチャード・ベイマー

                           ラス・タンブリン

                           ジョージ・チャキリス

                        音楽:レナード・バーンシュタイン

                        1961年(昭和36年)日本公開

                         

                        ミュージカル映画といえば、思いつくままにあげても『南太平洋』『サウンド・オブ・ミュージック』『マイ・フェアー・レディー』『雨に唄えば』『メリー・ポピンズ』『シェルブールの雨傘』『バイ・バイ・バーディ』『ステート・フェア』などなどたくさんあるが、『ウエスト・サイド物語』は文句なしの1位だ。11部門でのアカデミー賞も納得。

                         

                         

                        ウエストサイド物語 

                         

                        プロローグ。

                        カメラはニューヨーク市の超俯瞰図から、どんどん地上へ向かう。

                        そしてウエストサイド地区のある学校のバスケットコートへ。ここまでまったくのノーサウンド。

                        すると、指をパチン!パチン!と鳴らす音。そして、リフ(ラス・タンブリン)率いるジェット団が、続いてベルナルド(ジョージ・チャキリス)率いるシャーク団という街の悪ガキが登場し、物語がはじまる。

                        ジェット団は、地域の縄張り争いに決着をつけるため、「ジェットソング」を唄いながら、今宵のダンスパーティでの果たし合いを告げる。

                        ジェット団の挑発に、夜まで待つ必要はない。今すぐここで決着をと、その挑発に乗るシャーク団。

                        一色触発の状態を打ち破るのは、警官の吹く笛の音。ピィー!ピィー! クルプク警官(ビル・ブラムリー)の登場。このクルプク警官を小馬鹿にした「ジ・オフィサー・クルプク」という滑稽な歌もある。

                        映画がスタートしてから一気にここまで、音と踊りと物語が展開する。

                        なんと迫力溢れるプロローグだろうか。おそらく「ミュージカルなんて嫌いだ」という観客でも、すっかり虜だ。もう逃げられない。

                         

                        ワイズ監督は、ブロードウェイ・ミュージカルとして人気のあった『ウエスト・サイド物語』を映画化するにあたって、観客を一気に取り込むにはどうすべきかを考え、プロローグは、舞台を意識して幕が開くと同時に物語をスタートさせ、クレディト・タイトルを映画終了時のエンド・ロールに移動した。

                        その結果、観客はまさに、監督の術中にはまったまま最後まで堪能させられる。

                         

                        いよいよダンス決闘のシーン。この迫力。これこそスペクタクル。

                        最高テンポの「アメリカ」(私が一番好きな曲)に乗って、ダンスで決着をつけようとするジェット団とシャーク団。その中で出会う、マリア(ナタリー・ウッド)とトニー(リチャード・ベイマー)。

                        これからの2人の悲劇的な運命を暗示する。

                         

                        ベルナルドの妹マリアは、寝室の外から自分を呼ぶ声を耳にする。ジェット団から距離を置きはじめたあこがれのトニーだ。

                        家人を注意しつつ非常階段を駆け下りるマリア。駆け上るトニー。踊り場で愛を確かめ合う2人。

                        ここで、唄われる「トゥナイト」。この場面が、そしてこの曲が、この映画のすべてといっても異論はあるまい。

                         

                        『ウエスト・サイド物語』は衆知のとおりシェークスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』を現代ドラマに置き換えたものだ。この『ロミオとジュリエット』で最も有名なのがバルコニーの場面だ。このバルコニーの場面が、『ウエスト・サイド物語』では、この非常階段での場面なのだ。

                         

                        下に掲載した『ロミオとジュリエット』のパンフレレットは1954年公開のもので、監督はロバート・クラスカー、ロミオはローレンス・ハーヴェイ、ジュリエットはスーザン・シェントールである。当然ながら(?)、私は観ていない。

                         

                         

                        ウエスト・サイド物語 


                        私が『ウエスト・サイド物語』を観た時期については定かではない。

                        封切り時が14歳であったことと、パンフレットに貼られた当時の入場券の半券をみると200円だったことから、その当時、姉に連れられて観たようだ。

                        その姉はLP盤レコードを購入しており映画が先か、曲が先か定かではないが、私は15曲すべての曲目を今でも口ずさめる。

                        「クール」「マリア」「アメリカ」「トゥナイト」「ジオフィサー クルプク」「ダンス アット ザ ジム」「サムシングズ カミング」「アイ フィール プリティ」「ワン ハンド ワン ハート」「アイ ハブ ア ラブ」「サムホエア」「ジェット ソング」「ザ ジェッツ ツアー ザ グレイト」「グッド ライフ」「ザ ランブル」だが、読者諸氏は何曲ご存知かな。

                         

                        この映画で一躍有名になったのがジョージ・チャキリスだ。

                        その後彼は、『ブーベの恋人』(1963年)、『太陽の帝王』(1963年)、『633爆撃隊』(1964年)と恋愛物から歴史物、戦争物とオールラウンド・プレイヤーの側面をみせたが、いかんせん線が細いため、筋肉をみせる歴史物とか、軍服に身を包む戦争物などではコスチュームが似合わない。やはり彼は恋愛物だとばかりに、『ロシュフォールの恋人』(1967年)などが撮られてたが、旬をすぎたのかパットしないまま銀幕から姿を消している。

                         

                         

                        ウエスト・サイド物語 

                         

                        蛇足中の蛇足だが、マリアを演じたナタリー・ウッドは、1981年に水死(当時は事故死とされた)とされるが、30数年を経た今日、当時の夫ロバート・ワグナー(代表作『史上最大の作戦』があるが、もう1つの俳優)所有のクルーザーの船長が、テレビで当時の真相(?)を発表したところから、再捜査が開始されたという。

                        当時、クルーザーには、ロバートとナタリー夫妻以外にクリストファー・ウォーケン(代表作『ディア・ハンター』<1978年>でアカデミー助演男優賞受賞)、そして船長の4人が同乗していたそうだ。

                        そして、ナタリーとクリストファーには恋の噂があったとか、なかったとか・・・。最近の話題を放り込んでみたが、どうでもいいか。

                         

                        ウエスト・サイド物語
                         


                        次回もお楽しみに。支配人
                        A

                        【名画:世界の名画・日本の名画】高円寺名画座〜昔の映画作品紹介ベスト100〜







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